セルフメンテナンス

薪ストーブはセルフメンテナンスをすることも可能です。

自分の手で掃除を行えばコストが抑えられるだけでなく、薪ストーブへの愛着がさらに増すことでしょう。

しかしきちんと知識をつけてから行わなければ思わぬ事故に繋がることも。

薪ストーブ屋だからこその目線でメンテナンス方法をレクチャーいたします。

どうしてメンテナンスを行うの?

煤は主に煙突内に付着します。煙突内にこびりついた煤が自然に取れることはありません。

 

その状態で薪ストーブを使い続けると十分なパワーを発揮できなかったり、煙が逆流したり、トラブルの元に。

 

そんなトラブルを起こさず安全に使うためにも、煤をきちんと除去することがメンテナンスを行う一番の目的です。

 

 

 

 煤の危険性について

 

薪ストーブの普及率が世界一であるイギリスの環境庁では、煤は発がん性物質であると警告しています。

 

日本では薪ストーブの普及率が低いことからか、他国に比べて健康への被害の認識が低い状況です。

 

セルフメンテナンスを行うご予定の方には必ず「煤は吸引せず、長時間の接触をしないように。」

 

とお伝えしております。

 

 

 

服装に注意しましょう

POINT.01でもお伝えした煤の健康被害から身を守るためには、付着を予防できる服装を心掛ける必要があります!

 

ご用意いただけると安心してメンテナンスを行えるアイテムをご紹介いたします。

花粉用のマスクでは、煤は簡単に体内に入ってきます。国家検定試験に合格した区分3のマスクをご使用ください。

軍手や布手袋ではなくビニール系の手袋を使いましょう。

頭皮への煤付着防止や、頭部を守るためにもヘルメットを装着しましょう。

工具の落下から足先を守るようにしましょう。

 

  

 

適した道具を使いましょう

 

服装を整えたら次はメンテナンス道具を揃えましょう!

 

私たち薪ストーブ屋は煙突の長さ、施工状況、利用状況や薪ストーブのモデルから適切な道具を選んでいきます。

 

適切な道具を適切に使わないと、せっかく丁寧に掃除をしたとしても実は全く綺麗になっておらず、

「あんなに頑張って掃除をしたのに煙突が詰まってしまった・・・」ということも。

 

そんなことにならないようにぜひ一度図面やお写真をお持ちいただいて、適切な掃除道具とその適切な扱い方をお伝えさせてください。

掃除道具は種類がたくさんありますが、今回はメインで使う道具を抜粋いたしました。

煙突掃除に欠かせないロッド。メーカーごとに長さが違うので、煙突の長さをきちんと確認してから適正な本数を選びましょう。硬さもそれぞれ違うので、きちんと手に取ってチェックすることをおすすめいたします。

ヘッドブラシも煙突掃除に必ず必要になります。煙突口径に合わせたサイズをご用意ください。ワイヤー・ポリプロピレンなど材質も異なります。これまでのメンテナンス状況や、ご使用状況によって使い分けが必要となります。

薪ストーブ本体の気になる剥がれや、うっかりできてしまったサビの補修に使うスプレー塗料です。お使いの薪ストーブに合うものをお使いください。わからない場合は、メーカー・モデル名をお伝えいただければ、適正なものをお探しいたします。

ドアの気密性はこのガスケットロープによって保たれています。消耗品になるため、毎シーズン後に劣化や消耗していないか必ずチェックしましょう。ガスケットロープも薪ストーブのモデルごとにサイズや太さが異なるため、注意が必要です。交換時は専用セメントを必ず使います。

POINT.01でもお伝えしたように、煤は危険なものです。安全のためにも掃除機は作業に必須です。灰用の掃除機をご用意ください。

薪ストーブのガラスは綺麗にしておきたいもの。汚れが残ったまま使い続けると熱で焼き付いてしまい、ガラスが曇ってしまいます。ガラスクリーナーでこまめにお手入れをしてあげましょう。研磨剤が入ったジェルタイプのものと、液体のリキッドタイプのものがあります。汚れの状態を見て使い分けをおすすめします。

煙突のメンテナンス手順


 

①薪ストーブ本体の扉を閉めます。必要に応じて室内に養生を行います。

 

②煙突上部のトップ(角トップの場合は一番頂点にある蓋、丸トップの場合はトップ部分)を外して汚れを取り除きます。

 

③煙突掃除用ブラシ(煙突径にあったものをご用意ください)を煙突内にいれて6回ほど上下させ、汚れを落としていきます。

 

④薪ストーブ本体に落ちてきた煤を取り除いて、本体メンテナンスを行います。

 

掃除を行うとともに、煙突の点検も行います。下記項目をご参考いただければと思います。

 

□煙突は強固に保持されていますか?

□煙突内部に腐食はありませんか?

□こびりついたタールのような汚れはありませんか?

□煙突に異変は起きていませんか?

 

屋根の上はとても高い場所。危険が伴うため必ずヘルメットや命綱を装着しましょう!

また無理に行ってケガをなどをしないよう、業者に依頼することをおすすめします。

ストーブ本体のメンテナンス手順


室内に養生を行い、本体に繋がれている煙突を取り外します。

 

②炉内の灰を取り除きます。灰受けの灰も一緒に取り除きます。

灰を残したままにしてしまうと、梅雨時期に灰が水分を吸ってしまい、ストーブの床面が錆てしまう可能性があります。

※灰は翌シーズンにまた炉内に敷いていただくと着火がスムーズに行えます。ぜひ保管することをおすすめします。

※処理方法は各自治体によって異なるため、捨てる際はお客様の方でご確認をお願いいたします。

 

③ガラス面をガラスクリーナーで磨き上げます。

※黒い縁部分や四隅など、意外と落とし切れていない部分もあります。ぜひ入念に磨き上げてください。

※ガラスクリーナーが残らない様、最後に乾拭きも必ず行ってください。

 

本体の塗装の錆や剥がれなどを、ストーブポリッシュを使用して補修を行います。

※適した色がわからない場合は設置業者などにお問合せください。塗布する前に錆や汚れは入念に取り除いてください。

 

 

こちらも煙突同様、掃除とともに点検を行います。下記項目をご参考ください。

 

□ガスケットロープはすり減ったり、潰れたりしていませんか?

□ドアはしっかりと閉まりますか?

□本体の位置はズレていませんか?

□歪みのあるパーツはありませんか?

□炉内の耐火レンガに大きなヒビは入っていませんか?

 

異常が見られたら、お早めにお問合せください。

さらに安全にセルフメンテナンスを行いたい方へ向けて

アリュメール群馬は県内唯一

 Team Rodtech Japanに加入しています。

 

充電ドリルの回転速度を活用し、

短時間で確実に煤やタールを除去!

屋根に登らず、メンテナンスを安全に行えます。

 

インストラクタースタッフ2名在籍!

ご希望のお客様には講習を行います。

 

気になる方はお気軽にお問合せください。

 

※煙突の施工方法・状況によってはRodtechを使用できない場合もございます。

 


最後に

いかがでしたでしょうか?お伝えしたいことはまだたくさんございますが、いくつかポイントを絞って紹介いたしました。

このページをきっかけにセルフメンテナンスのハードルが少しでも低くなれば嬉しいです。

 

正直なところ、高所作業が伴うセルフメンテナンスは危険と隣り合わせです。

 

ネットにもたくさんの情報がありますが、簡略化しすぎていたり複雑すぎてよくわからなかったりで、些細な解釈の違いから思わぬ事故に繋がる可能性もあります。

 

何度もお伝えしておりますが、私たちは"安全"を何よりも大切にしています。

きちんとお顔を合わせて情報をお聞きしながら直接、漏れのないように注意点をお伝えすることが一番望ましいと考えます。

 

ぜひ一度お気軽にお問合せください。